異常散乱装置Ⅰ(IMSS BL-7C), III(SPring-8 BL02B1)

▶装置概要

我々の研究グループは,シンクロトロン放射光施設を利用した実験を得意としています。 異常散乱装置 I は物質構造科学研究所フォトンファクトリー(茨城県)のビームラインBL7Cに, 異常散乱装置 III はSPring-8 (兵庫県) のビームラインBL02B1にそれぞれ設置されており, 現地での放射光実験に用いています.

基本的な装置構成は二軸ゴニオメーターとGe半導体検出器の組み合わせであり、非晶質物質のX線異常散乱測定(AXS)に適した 光学系および計測系のセッティングがなされております.

非晶質物質のX線回折強度は結晶に比べて弱いため, X線異常散乱測定を行う場合は、 半導体検出器のようにエネルギー分解能を有する検出器を用いて, 蛍光X線と弾性散乱を分離する必要があります. BL-7CとBL02B1において高強度が得られるX線のエネルギー領域は異なるため、環境構造測定の対象とする元素の 吸収端のエネルギーによってこれらのビームラインを選択的に利用しています.


▶活用事例

X線異常散乱法の原理

ZrPt系非晶質合金に存在する中距離秩序構造の解明

Ba-Y-Cu-O系超伝導酸化物のCu周囲の環境構造解析:Pair distribution function around Cu (Cu-PDF)

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異常散乱装置Ⅰ(IMSS BL7C)
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異常散乱装置III (SPring-8 BL02B1)